次第に、道は山道へと変わります。
←見上げると、山の高圧線の鉄塔に白い雲がからんで、ダイナミックな光景。
このR218(下)はカーヴがきつくなく、むしろ直線が多い。
また路面の状態が良いことが、この画像でも分かるでしょうか。
たいへん走り易いワインディング・ロードです。
ただしここまで登ってくると、日川渓谷の恩恵は薄れて、じりじりと暑い。
じりじりと暑いのだけれども、時がゆっくりと流れていて。
そして自分もせわしなく動くのがふさわしくないような、そんな不思議な感覚。
生命感あふれる大自然の懐にいることを感じます。
ふと気づけば、周囲の草いきれが、むせるほどでした。
やがて大菩薩峠の標識が現れます。
大菩薩峠と聞いて、「剣豪小説のアレだね。」と指摘できる方は同世代です。
ただし小説の詳細をご存知の方は、稀でしょう。
あらためて調べてみると、小説「大菩薩峠」の作者は、中里介山。
世界最長を目指して執筆された時代小説で、中里介山の死によって未完となった41巻の大作だそうです。
その舞台となったのが、この大菩薩峠です。
中腹まで登ると、ようやく山の頂上が見えてきます。(→)
大菩薩嶺(2,057m)です。
残念ながら大菩薩峠(1,897m)自体は、クルマでは行けません。
登山者だけが訪れることのできる峠です。