渓谷と別れると、道はふたたび広々としたBack-Roadに。
 農家の庭先の柿が、鈴なりです。
 また落ち葉焚きでしょうか、白い煙がたなびいてきます。
 枯れ枝の燃える匂い。
 信州の秋、です。
 この日はいたるところで、のどかな焚火と出合いました。
 やがてトンネルの手前で、大峰高原へと分け入る二差路が現れます。
 でも、いまひとつルートに自信がなかったので、まずは直進してトンネルを抜けてみると…
 トンネルの向こうは、眺望抜群な展望台でした。
 相川峠展望台というそうです。
 空の色が素晴らしいな…
 まさに紺碧。
 ここは北アルプスのビューポイントで、鹿島槍、爺ヶ岳、五竜岳が正面に、北は白馬三山まで一望。
 北アルプスは、夏の黒々とした姿と違って、柔らかな色合いです。
 
 幸い大きな案内板があって、それによると、先ほどの二差路を分け入ってゆけば、大峰高原に間違いないようです。
 二差路に戻って、大峰高原に向かいます。
 名もなき道。
 あえて名付ければ「大峰高原ライン」?
 小高い丘の稜線を走ります。
 カラマツ林と白樺林が交互に続いて、八ヶ岳あたりと似ています。
 しかし陽射しがたっぷり。
 気温も20度は確実に越えているでしょう。  
 暖かくて、白馬の近くに来ているとは思えないほど。

 このあと視界が開けて、広々とした丘に出ます。
 旅の目的地、信州池田町の「大峰高原七色大カエデ」に到着です。
 町営駐車場に愛機を停めると、まずは革ジャンのインナーを外し、背中のエアベント(通気口)を開けます。
 これで、多少は歩いても大丈夫。
 この日はそれほど暖かく、真冬用の革ジャンじゃなくてもよかった。
 というわけで、やや身軽になったところで、斜面を歩いてゆきます。
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