kset02.gif
 舘山寺温泉は、浜名湖の東岸にある小さな歓楽街。
 遊園地の巨大な観覧車のわきを通過すると、温泉街をひと回りします。
 ここは温泉街にしては珍しく、道路が碁盤の目のようになっていて、とても走り易い。
 鰻屋さんばかりで、左右に「うなぎ」のノボリが立ち並ぶ。
 ひときわしゃれた茶屋風の鰻屋に、朝に見たスーパースポーツ5人連れの車列を見つけました。
 彼らはここまでとばして来て、鰻を食べるわけか。
 ショーウィンドウに近づいていって、跨ったまま中を覗きこむと… 
 げっ! 「うな重¥3800-」?!
 絶滅危惧種に指定されると、ここまで高価なのか…
 オヤジは“勇気ある撤退”をして、下調べをしていたうどん屋さんのほうにお世話になることにしました。
 12:30ということもあって、お店は中年のご夫婦連れでほぼ満席でした。
 幸いカウンターで老婦人と若い営業マンという不思議なペアのとなりに、陣取ることができました。
 メニュウを見ると、下調べしていた「やらまいか(「やろうじゃないか」の静岡西部の方言)¥1,890-」がありました。
 これがお店の看板メニューで、「うどんの王様」という別称もある、とろろとうなぎのスタミナうどんです。
 “男なら、たとえ溝のなかでも前のめりに倒れたい(坂本竜馬)”…
 先ほど見たうな重で感覚が麻痺していたので、この高価なうどんを注文してしまいました。
 待っているあいだに、隣の老婦人と営業マンの会話が耳に入ります。
老婦人「そうですやろ、だから私はあの席で、従業員に社会保険をかける判定を発議したんです」
営業マン「なるほど。しかしあの段階で…」
 このおばあちゃん、社長さんなんだ…
 さてここで「やらまいか」が登場。
 デッ、デカい… 30cmはある大鉢に、つやつやとしたうどんと鰻が鎮座。
 1.5人前という説明でしたが、2人前近いボリュームです。
老婦人「んまぁ〜。あんたソレ… 剛毅やねぇ(笑)」
僕「はあ(苦笑)」
 
 さっそく猪口の汁をぶっかけて、とろろをからめると、ひと口。
 うどんはコシがあって、でも塩気が少なくて美味い。
 薄味で甘めの汁も、とろろうどんとよくマッチしています。
 次に鰻をひと口。
 うん、柔らかくて、それでいて滋味豊か。
 結局、美味しさにつられて、一気に食べてしまいました。 
 蒲焼きの香ばしさはないものの、絶滅危惧種を楽しむことができて満足でした。
「手打ちうどん権太(ごんた)」
 店舗は訪れた時と違って、いまは大通り沿い(歩いて2〜3分のところ)に移転しています。
 新所在地;
 静岡県浜松市西区舘山寺町2303-3
 053-487-5335
「かんざんじ温泉・華咲の湯」 053-487-1111
静岡県浜松市西区舘山寺町1891
入浴料¥1,260-
 うどん屋さんで立ち寄り湯の割引券(¥1,260⇒¥1,050)
をいただいたので、舘山寺温泉も訪れてみました。
 華咲の湯は、温泉街の中心にあるホテル。
 豪華で、センスの良い設備が素晴らしい。
 源泉は二つあって、「ダイダラボッチの湯」は舘山寺共同湯と同じナトリウム・カルシウム塩化物強塩温泉。
 透明のお湯は甘い香りがして、キシキシ感があります。
 一方「石景の湯」は同じ成分でも鉄分の含有多し。
 同じくキシキシ感がありますが、こちらの色は褐色。
 長くは浸かっていられないほど、身体が温まります。
 入る前は期待もせず「どうせここまで来たのだから、いちおう浸かって帰るかな」というくらいの気持ちでしたが、舘山寺温泉は意外に良かった。
 高い入浴料には臆してしまいますが、それに見合う満足感もあります。
 ただ実額がはりますので、昼食代より入浴料が高くなるということになりかねませんね‥
 本来は一人で立ち寄るというよりも、家族旅行でお父さんが奮発する温泉です。
⇒華咲の湯はコチラ