白骨温泉郷から林道Bのほうをすこし登ったところに、「泡の湯」がありました。
右の画像が正面玄関で、下の画像が、裏手にある立ち寄り湯専用の入り口。
原生林に囲まれた大駐車場で、ヘルメットを脱ぎます。
深呼吸する。
時刻はまだ10:30。
白骨温泉で朝風呂とは、なんというゼイタク。
あぁ 単車の旅はいいなぁ。
「泡の湯」 入浴料¥800-
長野県松本市安曇4181 0263-93-2101 木曜休
入館すると、脱衣所が雰
囲気のある木張りでわくわく
してしまう。
先客は7〜8人。
効能書きを見上げてメモを
とっているおじさんがいるあた
りが、いかにも名湯らしく微笑ましい。
コンクリートの旅館の中ですが、浴室は伝統的な造り。
檜造りの浴槽の手前が、すのこ状の洗い場になっています。
浴槽を見ると、角から木のトイで、お湯が勢いよく流し込まれている。
注がれるお湯は透明ですが、空気に触れると色が変わるということで、浴槽のお湯は見事なまで乳白色。
さっそく身体を清めると、内湯から楽しむことにします。
ちょうど適温で気持ちよくて、思わずうなってしまう。
肌あたりはわずかにキシキシ感がありますが、とにかく柔らかい感触。
しかしこの素晴らしい香りは、何なんだ…
甘いイオウの香りに加えて、何というか石鹸を思わせる香り。
香りの強さ自体はわずかなんですが、とても存在感のある素晴らしい芳香です。
さて、次はいよいよ有名な露天風呂です。
通路状の廊下を歩いてゆき、そのまま階段を降りると湯船に入るという凝った造り。
なお、ここから先は女性と合流して、混浴となる仕組みです。
大露天風呂の素晴らしさは、ここのホームページを見ていただくのが一番でしょう。
苔むした中庭に、やや青みがかった乳白色の岩風呂が広がっています。
木のトイで、源泉が高いところから滝のように落とされています。
それでお湯と空気とがかき混ざるせいか、色がいっそう濃く、手を30cmも沈めるともう見えません。
女性客が2人おられましたが、これだけ色が濃いと、混浴でも恥ずかしくないでしょう。
露天風呂はぬるめ(39度)ですが、効能で身体が温まるのが分かります。
ここでも香りの素晴らしさに圧倒されます。
いつもは長湯はしないほうですが、あちこちと移動して、いろいろな角度から緑(苔)と白(湯)のコントラストを鑑賞しました。
おまけというか、廊下のわきにあったコンクリート製の小さな露天風呂にも入りました。
こちらはかなり熱くされていたので、冬に大露天風呂を楽しんだあとの“温まり用”なのでしょうか。
ここで2010年に訪れた公共野天風呂との違いをお伝えすると、お湯の色は、あちらはやや青みがかった透明で、この泡の湯は青みがかった乳白色。
泉質は「含硫黄−カルシウム・マグネシウム−炭酸水素塩温泉(硫化水素型)」で同じなのですが、あちらは浴槽に凝固した成分が雪花石膏(アラバスター)のように硬かった記憶がありますが、こちらに凝固した成分は、わずかに弾力がある“半生”状でした。
←風呂からあがって、大駐車場に戻ってきたところ。
身体はさっぱりしたなかにもじんわりした効能を感じます。
なにより独特の甘い香りが残っていて気持ちいい。
さすがに名湯、素晴らしいです。
旅の目的となり得る温泉で、文句なくお薦めします。