入浴チケットを券売機で買い、番台で渡して入室します。
先客は4人、一人の登山客を除くと、皆さん地元のおっちゃんです。
浴室は古びたタイル張りで、浴槽もタイル張り。
泉質は単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)で、浴室にもわずかにイオウの匂いがたち込めます。
かけ流される源泉は、日によって色が変わるそうですが、この日はわずかに白濁したエメラルドグリーン色。
白濁して見えるのは、細かい湯の花が浮いているためです。
カランで身体を清めると、さっそく浴槽へ。
おっ、けっこう熱い。
でもめちゃくちゃ柔らかい肌あたりで、肌にぴりぴりときません。
大師の湯もそうでしたが、この柔らかさが別所温泉の特徴。
熱いお湯にもかかわらず、何回も入ってしまいました。
風呂からあがると、脱衣所で地元のおっちゃんがストレッチ体操をしていました。
始めからご一緒でしたが、目につく人でした。
この人、とにかく素晴らしい筋肉の持ち主。
こんな共同温泉(>失礼)よりも、都会のスポーツジムのほうがしっくりする。
その人のストレッチ体操に、ついつい視線が行ってしまいました。
そんな邪魔(笑)もあったせいか、小説のような若い女性との出会いはありませんでした。
話しは温泉に戻りまして、風呂あがりは肌がさらさらで身体も生き返ったような感覚があります。
大湯は、前の大師の湯よりもクルマが駐め易く、かつ、観光客が入り易いところが好印象です。
お昼ごはんは、上田の街におりて蕎麦をいただくことに。
戦国武将・真田昌幸が開いた城下町、上田は、歴史のある街並みのなかに、とにかく蕎麦屋が多いところ。
今回も二年前と同じ、刀屋に(左)
文人・池波正太郎もこよなく愛したというお蕎麦屋さんだ。
先代は刀鍛冶で、店の家紋は刀の鍔を表しているとか。
ノレンが出る前に到着したものの、それでも5人め。
スダレの影で開店を待っているあいだにも列は増えてゆきます。
このとき気温は30度を超えていたでしょうか。
風がなかったので革ジャン革パンのパンチング・ホールも恩恵はなく、ノレンが出るのが待ち遠しかった。
店内ではおばちゃんが順々に注文を取ってゆきますが、前の皆さんは常連らしく、すぐ注文が決まる。
前の男性などは毎日同じ注文のようで、「あんたは、もり・普通だよね?」と訊かれて頷くだけでした。
僕は前回は「もりそば・普通」だったので、悩んだあげく名物の「真田そば」を注文することにした。
おばちゃん「えっ? みそ味だよ? いいの? まぁ珍しい味だけどね…」
…と、おばちゃんの応対はちょっと心配になるものだった。
「刀屋」 上田市中央2-13-23
0267-22-2948
これが「真田そば・普通盛り(¥1,050-)」
刀屋は、味だけでなく盛りがいいことでも有名。
サイズは小、中、普通、大盛があって、この「普通」で通常の3.5人前くらいのボリューム感。
真田そばは汁に特徴があります。
小鉢に入っているのは味噌となめこ、そして削り節。
画像にはありませんが、別に添えられただし汁でこの味噌を溶いて、普通のつけ汁も好みで加えて、つけ汁にします。
さっそくひと口をすすって… う、美味い。
これ、美味しいです。
みそ味にまったく違和感はなく、むしろこの蕎麦に良くあっています。
何よりだし汁や普通の汁を加減してゆくと、汁の味付けは無限大。
麺一本一本がふぞろいで太めの蕎麦を、飽きずに食べ続けることができました。
最後のほうは味噌もなくなって普通のつけ汁になってしまいますが、それもまた楽しい。
大変満足しました。
ここに来たら、おばちゃんの応対にも臆せず、勇気をもって真田そばに挑戦してほしい。
文句なくお薦めします。