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 これが河原の湯。
 四万川と新湯川の合流地点にあり、目の前が河原という共同湯だ。
 中世ヨーロッパの警備詰所のような奇妙な外観で、実際何人もの観光客が「何の施設だろう?」と覗きに来る。
 温泉協会の「外観や内壁、湯船も石造りで洞窟風呂の雰囲気が味わえます」という案内どおり、すべてが石造り。
 ドアを開けると脱衣室で、さらにドアを入ると半地下の薄暗い浴室。
 浴室内は、煎茶の茶がらのような匂い。
 4人でいっぱいという小さな浴槽には、源泉がかけ流されている。
 お湯はけっこう熱い、43度くらい?
 肌あたりは柔らかくさらっとした感触。
 泉質は、石膏泉のような印象もあったけれど、実際はナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉。
 いい湯だ。
 効能が、優しく身体に入ってくる感じがたまらない。
 実をいうとこの河原の湯、紹介写真から受ける印象は良くなかったので「もし快適でなかったら、別の共同湯に移ろう」と考えていくつか候補を調べて来たのだが、これが嬉しい誤算。
 驚くほどきれいに掃除されていて、どこもかしこもヌルつきや汚れとは無縁。
 浴室も天井が高く、また天窓から熱気が抜けて涼しい。
 きょうの立ち寄り湯は、ここで決まりだな。
 落ち着く空間で、しばし瞑想にふける。
 時おり瞑想の邪魔をするのは、外側のドアが開く気配と、「ほんとだ。お風呂だよ、ここ!」という声と、ドアが閉まる音。
 再び瞑想に入る。
 あゝ 熱いのに長湯もできる理想的なお湯だ。
 入浴料は無料ではあるけれど木箱に寸志(¥200-)を投入して、そして風呂からあがると川沿いで涼む。
 肌のさらさら感が気持ちいい。
 共同湯は、源泉地に近いためにお湯が濃く新鮮なところが魅力ですが、河原の湯もその文法どおり。
 涼んでいるあいだも、観光客が「何の施設?」と何人も覗きに来たけれど、入浴してゆく人はいない。
 こんな入りづらい雰囲気だからこそ、かえって清潔に保たれているのかもしれない。
 このあと記念撮影にと、駐車場にあった橋を渡って対岸に。
 四万川は、前日雨が降ったのにもかかわらず、澄んだヒスイ色だ。
 
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