黒光りした小さな旅館です。
入館すると、木の香りと、煤けたような匂いがして、とても心地よい。
すらりとした都会的なおかみが、暖かく向かい入れてくれました。
まずは内風呂に。
ご覧のとおり、木造りの薄暗い浴室に、乳白色のお湯が輝いています。
泉質はカルシウム・ナトリウム炭酸水素塩泉・含硫黄。
色はわずかにエメラルドグリーンがかった乳白色で、典型的な白骨温泉。
温泉の成分が凝固するせいで、浴槽の木の縁は角が円くなって、雪花石膏(アラバスター)のようです。
お湯は嬉しいことに、適温よりもちょっと熱くて僕好み。
そして匂いは、「泡の湯」の花のような石鹸のような甘い匂いだけでなく、甘い中に、ビターな燻したような匂いも混ざっていて、複雑な、それでいて癒されるいい匂いです。
肌あたりはさらりとしています。
ガラス戸を開けると、混浴の露天風呂に下りることができます。
狭い坪庭に多角形に切られた露天風呂。
女性は右手の通路から、半浴のまま入浴できる造りになっています。
でも女性が来ると思うと、落ち着かない。
内風呂に戻り、静かに濁り湯を楽しみます。
あゝ男の一人旅はいいなぁ。
風呂あがりは汗が出て、肌がしっとりとして柔らかくなる印象です。
丸永旅館、信州の濁り湯を堪能できて文句なくお薦めします。
残暑に備え、防風インナーを外して家路につきます。
予想どおり、帰路はむし暑い。
帰宅19:50、総走行は542kmでした。
「かつらの湯・丸永旅館」
0263-93-2119 入浴料¥600-
長野県松本市安曇白骨温泉4185-2