脱衣所の階が、大きな内湯(右)。
そして斜面を一段下がって露天2つ、二段下がって露天2つに陶器風呂、三段下がって露天2つに陶器風呂と、階段状に浴槽がたくさん。
そんな広いなかに、先客は4〜5人だけ。
妻子や孫はユネッサンに行かせて自分はこちらで寛ぐ年配者と見た。
おじちゃんの一人が、脱衣所で僕に声をかけてくれます。
おじちゃん「おっ。バイクで来たんですねぇ?」
僕「見りゃ一目瞭然ですよね(=革パンを脱ぐ前でした) おまけに僕がシルバー料金だってこともね」
お互い笑ってお分かれします。
小涌谷温泉ですが、お湯の透明度が印象的。
温度は適温で、肌あたりはさらさらしたもの。
金気臭はなく、わずかに草木を思わせる匂いがします。
ナトリウム・塩化物泉と、泉質はごく普通です。
好みの温度の浴槽を探していたら、一番下の段にあった陶器風呂が熱かったので、ここに陣取ります。(左)
陶器は白い焼き物ですが、温泉の成分で内側は茶色く染まっています。
身体を沈めると、あふれたお湯が音を立てて流れてゆく。
テラスを取り囲む植栽はキンモクセイで、その花の香りに包まれて、瞑想のひととき。
風呂あがりは適度な温浴感で、寛ぐことができました。
そのまま、温泉のお食事処で昼ごはん。
座敷に、お客さんは僕ひとり。
お山を下りずに、静かにごはんが食べられるのは嬉しい。
いただいたのは「和みそば(¥900-)」
天かす、ワカメ、だいこんおろし、温泉卵がのる冷やそば。
麺が手打ちなのにはちょっと驚きましたが、汁はありきたりの汁で、まとまりとしては普通のそばでした。
小涌谷温泉、いや箱根小涌園は、伝統的な「温泉リゾート地」、といった温泉でした。
小涌園から箱根湯本におりて、小田原厚木道路へ。
帰宅は14時、総走行は176km。
こうして箱根十七湯も、残すはあと一湯となりました。
制覇して楽しいかと聞かれたら答えに詰まるのが正直なところですが、温泉の数だけ僕の物語が増えれば、人生、儲けもんだ。