無駄で有害な健康診断その2
医療費を食いつぶす「諸悪の根元」
その3 健診に巣食う医療機器メーカー
「健康診断」は定期健診と保険者(健保組合等)が行うものがある。前者は健診車に列をなして胸部X線を撮影するおなじみのものだ。「年間市場は約3千億円規模に上る」。
今年の5月長年行われてきた座高測定とぎょう虫検査が来年度限りで廃止されることになった。
「検査項目が削減されれば多くの医者が食っていけるかどうかの
死活問題になる」「そこには製薬会社や、医療機器メーカーの利権もぶらさがる」その最右翼というべきものが「胸部X線検査」だ。
日本では1911年に工場法が源流となり施行され広く普及した。
当時の国民病は結核だった。しかし現在衛生状態は改善し結核の
患者数は激減している。
にもかかわらず現在でも続けられているのは結核の代わりに肺がんの早期診断を検査項目に加えた。ところががん専門医は「胸部X線検査で肺がんの早期診断するなどありえない」と語る。
現在の肺がん診断の主流はCT検査である。CTによる被曝量は
胸部X線の100倍以上。がん専門医は「家族の既往歴や喫煙の有無、ゲノム(細胞染色体)情報などでハイリスク群を絞り込み、CT検査を行えばいい」と語る。
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医学的には無意味なX線検査が、いまだに行われているのは、この検査で甘い汁を吸う連中がいるからにほかならない。
その代表格が厚労省所管の「結核予防会」だ。
現在の総裁は秋篠宮妃である。
国内の歴史的役割が終わった結核予防会は「現在は空席の
理事長ポストが厚労省官僚の指定席」である。
1914年度七億円余りの公金が投入されている。
この結核予防会は病院などを運営するほか、1台1億円程度の健診車を約9百台保有して集団検診事業を行い、年間24億円余りの収益を得ている。「この連中は結核が斜陽化するのをなんとしても防ぐために健診のX線検査を死守したい」
また多くの事業者が35歳以上の従業員に胃のバリウム検査を行っているが問題も多い。「多くの医師は自分の健診ではバリウムは飲まない」「バリウム検査はがんを予防しているのか作りだしているのかわからない」
国立がん研究センターに勤める医師は驚くべき指摘をする。
日本人の発がんのうち3.2%は医療機関の被曝が原因である。小診療所までがX線撮影装置を持つ日本は放射線被曝大国といわれており、ほとんどがこの健診での胸部X線とバリウム検査だ。この医師は「がんを作っている」と指摘するのだ。
その4 無駄に続けられている胸部X線検査
この情報は信頼できる情報誌から抜粋したものである