立ち寄り湯は、ここの共同湯「中尾の湯」に行きました。
木造の建物はきれいに磨かれていて、黒光りしています。
賽銭箱にお賽銭を入れてなかに入ると、脱衣所は独立しておらず、浴室の一段高いところが脱衣スペース。
タイル張りの浴室の中央に、木枠の浴槽が2つに仕切られて、そこに源泉がかけ流しされています。
入浴していた地元の方が、親切に説明してくれました。
地元の方「仕切られた奥のほうが、ぬるめだよ」
僕「(手を入れて)これでも、すごく熱いですよ?!」
地元の方「お湯は(手で)かき混ぜないと駄目だぁ。お湯は上のほうが熱くなるんだから」
そうでしたね。長いマンション暮らしでそんなことも忘れていました。
僕の実家にも、風呂場に浴槽をかき混ぜる棒があったな‥。
この発見がとても印象的でした。
なお野沢温泉は、かき混ぜてもすごく熱い湯でした。
ここの泉質は含硫黄・ナトリウム・カルシウム硫酸塩泉。
お湯は透明で、ちょっとこげたような匂いと、甘い硫黄の匂いをミックスしたような香りがします。
とにかくお湯は素晴らしく、浸かっていると新鮮なお湯の効能がじんじんと身体の疲れを溶かしてくれる感じ。
風呂上りの爽快感も、ひときわです。
以前にご隠居D氏が野沢温泉を誉めておられましたが、まさにそのとおり、僕も文句なくお薦めです。
この中尾の湯に駐車場はありませんので、近くのコンビニエンス・ストアで買い物をして、そこの広大な駐車場に停めさせていただくといいと思います。
さて時刻は13:00。
野沢温泉を発つと、涼みがてら、のんびりと千曲川(信濃川)に出ます。
空を仰いで‥
ここで帰るのには、もったいない天気だなぁ‥
温泉の効用で、元気も回復しているし‥
でもこんな遠くで放浪して、もし迷ったら大変かな‥
おっ、千曲川の対岸に、手ごろな山岳道路がありそう。
長野県と新潟県との県境にある関田峠。
なんて読むのかな、せきだとうげ?
「日本海に浮かぶ佐渡や能登半島も遠望できる」‥か。
そうだよね、もう少しで新潟県なんだよ‥
行ってみましょう、関田峠!
対岸に渡ると棚田が広がって、集落も含めてなんとなく信州らしくない風景。
さすがに米どころ新潟が近いことを感じます。
←県道95号線で関田峠をめざします。
山の向こう側が、めざす新潟県です。
以前に箱根の駒ケ岳に行ったときに、丘の急斜面をくねくねと登るあの坂道をPIKES PEAK(注)みたいだと紹介しましたが‥
ここ関田峠は、まさに日本のPIKES PEAK。
道路は緩やかに蛇行しながら、時には茂みを抜け、峰を伝い、斜面を一気に駆け上がります。
密林に覆われた山ですが、樹木はみんな一様に背が低く、それが山を丘に見せるのでしょう。
日本の風景とは思えない独特のBackRoadです。
(注)自動車の草レースでHILL CLIMBというジャンルがあって、文字通り1台ずつ丘を登ってタイムを競うという単純なレースです。
このHILL CLIMBで国際的に有名なのがニュージーランドのPIKES PEAKという巨大な丘なのです。
「野沢温泉・中尾の湯」 入浴料;お賽銭
長野県下高井郡野沢温泉村中尾
Tel 0269-85-3155(野沢温泉観光協会)
野沢温泉で一番大きい共同湯だそうです。
なお上がり湯(蛇口の湯)は出ないので、浴槽の温泉を汲んで、身体や髪を洗います。