kset02.gif
 次第に晴れてきます。
 刷毛で掃いたような雲も消えてゆき、青空が広がります。
 いっぽう逆に気温は下がって、19度。
 関越の赤城あたりでは25度もあったのに、それよりも6度も下がって、とても爽やかです。 
 しかし、何なんだ、この澄みわたった風と光は。
 ここは群馬県なのに、今までの上州のイメージとはちょっと違います。
 越後が近いせいか?
 越後の持つ力は、それほど強いものなのか(笑)。

 オヤジの思い込みはさておいて、朝風呂に急ぎましょう。
 国道が猿ヶ京温泉を過ぎたところで、脇道に。
←杉林のなかを進んでゆきます。
 快適なアクセス道路。
 目的地まではまだ3kmもあるのに、次々と案内看板が現れます。
 「あと〇kmです」
 「きょうは〇時〜〇時は女性専用です」
 さすがに有名な秘湯(=矛盾する表現ですが)、たいへん親切です。
秘湯で朝風呂、そして越後へ
2012年6月24日(日) 
晴れ 気温19〜25度

 6月は旅人には憂鬱な季節である。
 でもこの雨季は、自然が素晴らしい夏を迎えるために必要な、天の恵み。
 そんな中でも、晴れそうな日は旅に出るのだ。
 梅雨の合間にしか味わうことのできない空気を求めて。

 6:40に、横浜を出発。
 予報は、横浜は一日じゅう曇り雨で、目的地の北関東は晴れというライダーには悩ましいもの。
 案の定、関越・東松山までは小雨まじり。
 雨合羽を着ることもままならず、ひたすら本降りにならないことを祈って、忍耐の走行。
 寄居のあたりから、やっと晴れてきました。
 月夜野ICでおりると、国道17号線・三国街道で山を登ります。(→)
 「この先の三国峠は、連続雨量150mmで通行止めです」という案内標識。
 これと同じ標識に、このあとも何度となく出合うことになります。
 
 10:30、目的地に到着しました。
 法師温泉は、弘法大師が発見したと伝えられる古い温泉。
 周囲は杉林に囲まれ、とても静かです。
 清流のせせらぎの音だけが、耳に届きます。
 
 長寿館は山あいにたたずむ大きな一軒宿で、多くの文豪たちも訪れている由緒ある旅館。
 シンボルである大浴場「法師の湯」は、1895年に建てられた鹿鳴館風の建築で、「国登録有形文化財」に指定されています。 
 この大浴場で撮影された、熟年夫婦をターゲットにした旧国鉄の割引切符「フルムーン」の宣伝ポスターは、僕の学生当時、とても評判になりました。
 往年の大スター、上原謙と高峰三枝子の入浴姿が記憶に残っています。
 横浜から単車をとばして、この秘湯で朝風呂…
 きょうはある意味、贅沢なツーリングであります。
「法師温泉・長寿館」0278-66-0005
群馬県利根郡みなかみ町永井650 入浴料¥1,000-