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虚空蔵に守られて
青木峠越え
2012年10月9日(火) 曇りのち晴れ 現地気温19度

 自宅を7:00に発ち、曇り空の関越自動車道をひた走る。
 嵐山PAでひと休み。
 バイク駐輪場では、BMW・F650が縁石に寄せ過ぎて、身動きができなくなっていた。
 他のライダーさんと3人で、車体を持ち上げて救出成功。
 こういう善行は、巡り巡って来るものだから、ね。
 そんなおかげもあってか、下仁田からは晴天に。
 しかし気温は14度と、逆に肌寒いほど。
 上信越自動車道を上田ICでおりたときは19度になったが、5度上がっただけでもずいぶん暖かく感じた。
 時刻は11:30。
 ちょっと早めだったが、ここで昼食としよう。
 訪れたのは、上田の刀屋。(→)
 文人・池波正太郎もこよなく愛したというお蕎麦屋さん。
 先代は刀鍛冶で、店の家紋は刀の鍔を表しているそうだ。
 ちなみにここ上田は“蕎麦のMecca”と言われているが、本当にお蕎麦屋さんの多い街で、刀屋にたどり着くまでに何軒の老舗を通り過ぎただろうか。
「刀屋」 上田市中央2-13-23 0267-22-2948
 煤けた店内は、天井が高くて風格がある。
 5〜6人のおばちゃんが忙しく立ち回り、活気があって気持ちいい。
 刀屋の蕎麦は、味だけでなく盛りがいいことでも有名。
 サイズは小、中、普通、大盛があって、「小」が通常のもりそば。
 お客さんは地元のお年寄りが多く、皆さん「小」を召し上がっている。
 隣の卓を見ると、20代のビジネスマン(上の画像に写る先客)が「普通」を食べている。
 あの量なら僕も大丈夫だろう…
←と、いうことで、これが「もりそば・普通(¥650-)」。
 さっそくひと箸、おっ、麺が重たい。
 一本一本がふぞろいで歯応えがあり、すするというより噛む蕎麦。
 味はあっさりしていて、田舎蕎麦という感じ。
 いっぽう汁は濃く甘めで、この蕎麦に良くあっている。
 麺が重たいせいか見た目以上にぎっしりした盛りで、この「普通」で通常の3.5人前くらいのボリューム感。
 食べきれるかと不安になるほどではなかったものの、お腹いっぱいで愛機に跨るのはおっくうだった。
 大変リーズナブルで、そして、なぜかまた食べたくなる味。
 お薦めです。
 お店を出ると、上田城を背にして松本に向かいます。
 しばらくは道の左右にも、お蕎麦屋さんの列。
 やがて田圃が中心の、のどかな光景になってゆきます。
 現れる交通標識は「青木↑」。
 ただただ「青木↑」だ。
 わずかに登り坂。
 どこまでも続く一本道。
 これが国道143号線、通称「松本街道」である。

 空には少し雲がありますが、清々しい秋の色です。
 遥か彼方にそびえるのは、子壇嶺岳(1,223m)。
 この子壇嶺岳の奥にあるのが虚空蔵山(1,139m)。
 いずれも、信州四賀の人々の信仰する山。
 ここから天空を司る仏、虚空蔵
(こくうぞう)に守られた山々に入ってゆきます。