店内はおでん鍋がはまったテーブル1つに、テーブル3つに座卓2つという、小さな、でもくつろげるお店です。
壁の煤けた張り紙には「当店の静岡おでんは代々続く秘伝の味」。
おでんは鍋からお好みでつまんで、どれでもひと串¥60-。
鍋に同居している、壺の味噌ダレに漬けて、粉をふっていただきます。
よしっ! きょうはいっぱいいただくぞ!
うん、美味い。
やっぱりここの静岡おでんは絶品である。
ガツ、さつま揚げ、昆布、じゃがいも、卵、ソーセージなどをいただきました。
静岡おでんは関東のものよりも煮込み風で、でもあと味はさっぱり。
ついつい8串も食べてしまいました。
今回はおでん以外も…ということで、肌寒い日だったので、暖かい月見そば
(¥575-)もいただきました。
失礼ながら、お店の外見から駅前スタンドそばのレベルを想像していたのですが、出てきたのは器も雅な、きれいな月見そば。
関東人にはやや汁が薄味でしたが、こちらもけっこうなお味でした。
食べているあいだに、スーツ姿の2人連れがご来店。
耳に入る内容から察すると、2人連れは近くの郵便局の職員さんで、おかみさんの甥とは知り合いのようでした。
おばあちゃんも会話に加わって、4人で地元の話に花が咲いていました。
お店を出ると、満腹の身体を機体に載せ、安倍川に沿って行ったり来たりすることにしました。
このあたりは対岸も見わたせて、とても開放的。
川は特徴的な青灰色をしています。
左右の山々を見ると、開墾できる斜面はすべて茶畑にされていて、ほのかに茶の香りがします。
行ったり来たりしているうちに、このまま南アルプスまで遡上したくなって困りました。
ここはそんな町はずれの食堂。
合計¥995-を支払いました。
一人旅の食事処として、文句なくお薦めします。