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 JR飯田線は水窪という集落から天竜川(あの川下りの名所)に向かうので、架線とはお別れ。
←国道は、いったん高速道路を思わせる快走路に変わります。
 この山が、日本人が何度となくトンネルの掘削を挑戦し、そしてことごとく失敗してきた青崩峠。
 このまま直進して、草木トンネルという立派なトンネルに入りますが、トンネルの中で、道は極端な右カーブを切って迂回。
 そしてトンネルを出るとぐんぐん道幅は狭くなり、トンネルから300mも進めばご覧のとおり。(↓)
 国道の未開通部分をつなぐ兵越林道が始まります。
 しかし国道は“終わり方”が分からなかった(笑)
 兵越峠は、武田信玄が遠州に向かって兵馬を進めたという由緒ある峠。
 ただし拍子抜けするほど走り易い峠でした。(実はあとで、それは思い違いであることに気づくのですが)
 道路わきには、あのいまいましい時間通行止めの看板が片づけられているのが見えます。
 よおしっ! いよいよ待ち望んだ国越えだっ!
 新緑の木漏れ陽のなかを、突き進みます。
←そして9:40 急勾配に現れる兵越峠(1,168m)。
 さきに写っているのが、国境わきの愛機。
 実はここ兵越峠では毎年10月「国盗り綱引き合戦」という行事が行われてて、水窪町の「遠州軍」と、南信濃村の「信州軍」とが綱引きをして、勝ったほうが1m領土を盗ることになっています。
 地元の方々に代々伝わっている、ひとつの遊びですね。
 
 金属製のポールは、ここからが長野県であることの道標。
 そして土手にさしてある木製の看板(矢印)が、綱引きの結果である、遠州と信州との国境です。
 こちらがある意味、本当の「国境(くにざかい)」かもしれませんね。
 戦国武将の末裔たちに敬意を表して、立て看板のほうに前輪を置いて記念撮影。

 このあと右足でぐいとブレーキペダルを踏みつけると、愛機を慎重に坂道発進。
 いつもより少しだけおごそかな気持ちで、信州へ入りました。
 時刻はまだ10時前。
 「旅は予想していたよりもずっと順調だな」とほくそ笑む僕。
 ここでもウグイスが鳴いていて、心が和みました。