「日帰り温泉・楽養館」 入浴料¥500-
長野県下水内郡栄村小赤沢
025-767-2297
秋山郷に着くまでの心細さは、ひときわ強烈でした。
津南から秋山郷までは2011年にも走ったことがありますが、その山深さは超一級。
すさまじいほどの山深さ。
そのなかを、くねくね道が果てしなく続きます。
山深さよりも精神的にこたえたのは、空が泣き出しそうだったことです。
ここで雨には遭いたくないなぁ…
雲が切れてきたときは、ほんとうに安心しました。
第二の谷川岳といわれる鳥甲山(2,037m)のうえにも青空が(→)
しかしこの鳥甲山といい石落としの岩といい、秋山郷の山々は、太古の生物が出てきそうな迫力に満ちあふれています。
やがて温泉に。
巨大な木造の建物が、小高い丘にそびえています。
秘境・秋山郷の小赤沢温泉に到着です。
手前が食事棟で、ここで入浴料(¥500-)を支払います。
愛想のいい管理人さんの笑顔に、今までの緊張がほどけるようです。
温泉は食事棟の裏手にあって、片持ち屋根に吹き抜けがある特徴的な建物。
脱衣所で革パンを脱いでいると、ちょうど先客が出ていって貸切りになったので、なかを撮影しました。
かけ流されるお湯は、ご覧のとおり味噌汁を思わせる濃い茶褐色。
夕焼けに見たら、確かに赤いお湯でしょうね。
泉質は含鉄ナトリウム・カルシウム塩化物泉。
源泉は無色透明だそうですが、空気にふれると鉄分が酸化してこういう色になるそうです。
成分がひじょうに濃い温泉であることが分かります。
浴室は内湯だけで、露天風呂はなし。
石タイルの浴槽のなかは、腰かけの段がある浴槽と寝湯。
タイルには成分が凝固していて、まるで巨岩をくり抜いたような滑らかな手触りです。
お湯は肌あたりが柔らかく、わずかなきしきし感があります。
匂いは、確かに鉄っぽい匂い。
いいお湯です。
天井の木組みを見上げて、快感のため息をつきます。
温度はぬるめなのですが、効能が強いためか、長くは浸かっていられないほど温まります。
さて風呂あがりの浴感は、お湯以上に印象的。
肌はさらさらに。
そして長旅の疲れやコリは、まったく消えてしまいます。
さすがに秘湯中の秘湯、期待どおり素晴らしかった。
秘境にある温泉なので、冒険好きはぜひ。