せっかく南会津まで足を延ばしたことだし、観光地も訪ねてみました。
会津下郷の交差点で、国道289号線から121号線(会津西街道)に進むと、案内表示を頼りにたどりつく。
塔のへつり(右)
へつりとは会津方言で、川に迫った険しい断崖だそうだ。
ゆるゆると流れる阿賀川(大川)に浸食されて出来上がった奇岩の回廊。
ここはむし暑かった。
肌寒かった朝の白河が、ウソのようです。
山ひとつ隔てた那須や白河とは、明らかに気候が違います。
塔のへつりを発つと、R347という山道で塔のへつりの裏側に回り込んで、また下郷に戻ることにしました。
このR347がなかなか曲者(?)な山道でした。
地図では阿賀川をなぞるリバーサイド・ロードのようでしたが、じっさいは森のなかをゆくワインディング。
ヘアピンカーヴもあって、走り応えがある。
吊橋を渡りましたが、対岸の崖で歩くことのできる窪みは、ごくわずか。
右も左も、安全のために柵に阻まれてしまいます。
もう少し大きければ。
あるいは誰かといっしょだったらよかったと思いました。
ただ、R347は曲者なだけでなく、どこか幻想的というか、奇妙な味わいが残る道でした。(右)
ここは薄暗い針葉樹のエリアと、ひなたの広葉樹のエリアとが、交互に現れるのです。
それも人の手で作ったように、何度も何度も繰り返し。
そして塔のへつりのむし暑さとはうって変って、涼しく快適。
途中、広葉樹のエリアではクルマが停まっていました。
クルマのわきには、年配のご夫婦。
地元のご夫婦らしい。
旦那さんは煙草をくゆらせて、奥さんはキャンピング・チェアに座って、二人で森を眺めながら話し込んでいました。
ここに森林浴…?
理由は訊かずに、そのわきを通り過ぎました。
印象に残る寄り道になりました。