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 湯小屋は簡素な造り。
 脱衣所を通って外に出ると、石でしつらえた小さな露天風呂に、笹にごりのお湯が満ちています。
 早速身体を清めると、お湯の中に。
 おっ熱い、44度くらいか?
 源泉温度・72度はダテじゃない。
 でも肌あたりが柔らかいので、熱いのに長湯ができるタイプです。
 ちなみに泉質は、ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩温泉。
 このあたりの海岸線でよく見る、一般的な塩泉。
 あゝ極楽極楽。
 ここでおばちゃんが戻ってこられて、お湯加減を訊いてくれる。
 自分で源泉の量を調節できるそうで、隠れたバルブの位置を教えていただく。
 かけ流しの温泉で、こういう配慮は珍しいですね。
おばちゃん「お湯は熱くありません?」
僕「熱いのが好きなので、いまがちょうどいいです」
おばちゃん「もっと熱くします?ほら!(と、バルブを開けると、熱湯が岩の間からほとばしる)」
僕「いやいや!そのままにしてください!」
 ちょと不満そうなおばちゃんの姿が可笑しかった。
 風呂あがりは、肌がしっとりとして身体がぽかぽか。
 塩泉は夏場は身体がべたっとするけれど、この季節ならばかえって快適というもの。
 おばちゃんに休日は混んで大変でしょう?と訊ねると、「以前ほどお客さんは来なくなったわねぇ」と淋しそうでした。
 ともあれ磯の湯、漁師町の共同湯という素朴なたたずまいが素晴らしい。
 お湯は温度も調整できて、とても気に入りました。
 磯の湯を発つと、もと来た道で伊東まで戻ります。
 くねる海岸線をたどる。
 身体がぽかぽかで、海風が心地よい。
 昼食は、創業60年の老舗「ふじいち」にお世話になりました。
 干物屋の二階に併設されるお食事処で、一階でチョイスした干物を二階に持ち込んで、自分で焼くシステムです。
 駐車場に愛機を駐めて入店すると、倉庫のような一階には暇そうに店番をする女性が1人。
 冷蔵ケースにはいろいろな干物がずらりと並んでいます。
僕「食事だけだけど、いける?」
店員さん「はい。どうぞお二階へ」
 二階に上がって驚いたのは、9テーブルもあるのに、ほぼ満席。
 皆さんテーブルの専用ロースターで干物を焼きながら、ご飯を食べています。
 こうしている間にも、次々とご家族連れが階段を上がってきます。
 平日にもかかわらずたいへんな繁盛店です。
 干物はお土産に回すとして、名物の「ネゴめし」をいただくことにしました。
 「ネゴめし」は赤身や白身の魚やイカなどをタタキにしてご飯の上にネギ、生姜を添えた漁師料理。
 まずは生姜醤油でそのまま味わい、残り半分くらいで熱々の出汁をかけてお茶漬けにする丼らしい。
 以前に松崎で食べた「まご茶漬け」に近いものかしら? 
「ふじいち(富士一丸)」 0557-37-4705
静岡県伊東市静海町7-6(国道135号線沿い)