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 沿道に商業看板がない。
 雪の降るところなのに路面が荒れていない。
 ガードレールが最小限しか設置されていない。
 ないことだらけだけど、そのぶん山懐に抱かれていることを感じる。
 そんな典型的なピストンルートが続きます。
 やがて視界が開けて、正面に荒々しい山が出迎えてくれました。
 停車してエンジンを切る。
 風もなく、しいんと静か。
 聞こえるのは、時たま通過するクルマやトラックの騒音だけ。
 
 再び走り出します。
 勾配が急になってゆく。
 空の青さがたまらない。
 自分が大きな谷を遡上していることが分かります。
 左手の河原を見下ろすと、びっくりするくらいの巨石が並んでいる。
 このあとスノーシェッドが続いて、それを抜けると、終点に到着しました。

 
 カメラをズーミングして立山黒部を見る(右)。
 道はうっそうとした原生林のなか、じわりじわりと標高をあげてゆきます。