「ジュリエットたち」本番まで残すところ約一ヶ月。
 高山さん、翼さんご両人に、現在の状況や意気込みなどをインタビューしちゃいました。 (翼さんのお答えは「シロイツバサアオイソラ」で公開中。)
 はてさて、どんなお話しが飛び出しますか・・・。
[高山] 実はこの企画は去年の「マクベス」の前から少しづつ話を進めていました。昴は翻訳物が多く、サードのメンバーから「書き下ろしの現代物がやりたい」「コメディがやりたい」という意見があり、演目を考えていたところ、小川未玲さんを紹介され、即決となりました。
 ただ、書下ろしは直ぐ書いてもらう・・・という訳には行かないもので、小川さんには昴の作品を毎回観に来ていただき、役者を知ってもらいつつ、テーマの話し合いを詰めたりと、長期戦でようやく実現に至った次第です。小川さんにはお忙しい中、何度も打ち合わせに来て頂いた事、すごく素敵な本を書いていただいた事、すべて感謝です。今も稽古にも参加してくださり、質問に答えてくださったり、ヒントを頂いたりしています。いつもは作家に質問したくても、亡くなってたり、外国にいたりで、その場で質問と言うわけにはいかないので、今回凄く新鮮です。
 実は来年もサードは書き下ろし作品を予定しており、作家のふたくちつよし氏との打ち合わせもすでに去年から始まっています。
 ちなみに2年前の「それから」の劇作家森本ジュンジ氏も昴と長い付き合いのある作家さんです。
 役者の個性や考えを知って、その劇団のカラーを知って、その上で作品を書いて頂く姿勢の作家さん方に出会えたことは本当に幸せでした。
Q 今回この、サード・ステージの企画に2年間もかけた背景にはどんなことがあったので すか?
[高山] 私は何度も経験があるのでそんなに不安はありません。お客様と近い芝居は結構好きなんです。
 そうは言っても、距離が近いと、初日は緊張で足が震える事も・・・。
 ただ、セットの裏は暑いだろうな〜と覚悟しています。
 数年前にやった「修道女」という芝居は、衣裳が顔と手しか出ていないシスター・コスチュームでだったので、あれに比べればたいしたこと無いです、きっと。今回は夏の設定なので衣裳も夏服だし。
 お客様が暑くないように・・・とそちらの方が気になります。
Q 今年も「あつい」サード・ステージの季節がやってきましたね!
 今回の公演は三百人劇場ではなく特設ステージでやるということですが、役者さんとしてはいかがですか?
[高山] 喜劇って本当に難しいです。殆どやったことないし・・・何年か前の「蝶は自由に飛んでいる」という舞台が 喜劇要素が結構あったくらいかな。最近皆でアイディアを出してはいるのですが、なかなかイメージ通りにいかないもどかしさがあります。でも、場面を通してやっていて、良いテンポがつかめた時は凄く楽しいんです。
 友人に誘われて映画「ラブ・アクチュアリー」を観た時、「うわ〜、こういうタイプのコメディやりたいっ」ってすごく思ったんです。作家の小川さんのエコーへの書き下ろし「もやしの唄」を観た時も、ストレートな演技の中の絶妙な面白みに感心しました。コメディに出演できるこの貴重な機会に、色々試してみたいな、と思っています。
 後、喜劇は座組みの雰囲気がそのまま舞台に出る気がします。ですから、稽古場が
良い雰囲気であるよう、楽しく稽古できるよう皆頑張っています。
Q 今回昴ではあまり上演されない喜劇にチャレンジされるということですが、それに対す る、意気込みなどどうぞ。
[高山] 松本さんは、さっぱりはっきりした物言いの方で、稽古場の居方も颯爽としています。演出家は、大勢のキャストとスタッフをまとめなくてはならないので、頑固な部分や、厳しい部分を持ち合わせているものなので、やさしい演出家というのは余りいないかもしれません。(かといって、灰皿投げるような演出家も昴にはいませんが。)
 演出家と役者と、いい作品を作る為に、毎日意見を交換しつつ稽古をしています。
 熱が入ってくると、休憩を取るのも御飯を食べるのも忘れるほどで、「永実子さん、御飯食べました?」とキャスト一同心配しています。
Q 演出の松本永実子先生。お写真で見る限りとても優しそうな先生にお見受けします が実際、演出されるときはどんな先生でいらっしゃいますか?
[高山] いや〜、翼君にはアドバイスは必要ないでしょう!敢えて言えば、相手チームの 面白いところはどんどん取り入れて、あえて全て違うようにしようと思わないことかな。(ちょっと先輩面してみました。)
Q 今回翼さんは初のWキャストの公演となりますが、いかがですか?
 また高山さんは既にご経験済み。アドバイスや経験談などありましたらお願いします。
[高山] 若い頃は「負けるもんか〜!」とライバル意識を燃やした事もありましたが、今回は一緒に作っていく、という感じです。
 Wキャストの湯屋敦子さんとは、実は「かもめたちの晩夏」というサード公演でもダブルだったんです。この芝居のキャスティングが出た時、「まただね〜、何でだろうね・・・、キャラ被ってるのかね?」とボソボソ2人で話していました。劇団の芝居で来る役は全然タイプが違うんですけどね。今回、色々情報を交換したり、一緒に研究したりしています。
 あ、そう言えば湯屋さんとは共演した事がまだないのでは・・・?一緒の作品でもWですからね〜。お互い自分らしさが垣間見える「千夏(役名)」を作りましょうね。
Q Bチームに対するライバル意識!?なんてのはありますか?またBチームで同じキャス トを演じる方に一言。
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