付知川が現れる。
 朝の陽射し、きらきらと輝く水面、渓流をわたる風、そして萌えるような山の緑。
 江戸時代も、杉林で暗い木曾街道より、この裏木曾街道を選ぶ旅人が、少なからずいたでしょう。
 撮影していると、どこからか道路作業員さんが現れて、作業開始の立て看板を並べます。
 看板には、「オオキンケイギク(特定外来生物)・駆除作業中」 …?
 お話しを伺うと、オオキンケイギクは黄色い花をつける植物で、河川敷をあっという間に埋め尽くしてしまうという。
 作業員さん「でも、けっこう綺麗な黄色の花でしてね。ここいら近所のご婦人が生け花にしてて。『おかあさん、ダメだよ、僕らはコレ伐採して燃やしてるんだから』って言ってる(笑)」
 重要なお仕事だから頑張ってと、ねぎらって、彼と別れました。
 このあと、騎上からオオキンケイギクを目撃しました。
 キクというよりマリーゴールドを思わせる花でした。
 付知峡の倉屋温泉、「おんぽいの湯」はもう少しです。
 川を覗いてみると、水が綺麗。
 木曾は昔からヒノキやサワラなど良質な木材の生産地で、切り出した丸太をこの川に流し、木曾川経由で名古屋や三重まで運んだそうです。
 作業のかけ声が「おんぽいェ〜」といい、これが命名の由来という温泉。
 江戸時代は、付知川も水量が多かったんでしょうね。
 「倉屋温泉→」の看板を左折して、狭い集落のなかで「おんぽいの湯→」の看板どおりに進む。
 こじんまりとした温泉なんだろうな…。
 突然に民家が途切れて、広大な駐車場が現れます。
 杉林を背にした巨大な温泉です。
 こっ、こんなにデカいの?
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