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2005年5月12日
17年度日私小連大会理科部会情報

このページは、神奈川地区理科部会で運営しております。
 
今年度の日私小連大会は、西日本地区の担当になります。
情報は、西日本地区からのものを発信しております。
 
日私小連フィールドワークご案内
 
参加者、(含むOB)へのお願い (必読)
 
内容変更や追加情報があり得ます。このサイトで発信いたします。
時々チェックしてください。
 
 

Posted by okada at 11:11


2005年5月6日
半日研修会


 
今年の半日研修会は、生命の星地球博物館企画普及課長、学芸員、平田大二氏の講演会を実施いたしました。
 
平田氏は、博物館と科学、学校教育を結ぶための手だて、博物館からのアプローチを中心にお話してくださいました。
 
ある学校から岩石園を整備したいから来て欲しいという依頼を受けた際、「単に岩石名を教えるのは簡単だが、それでは先生と子どもたちのためにならない。先生や生徒と一緒に岩石を分類したり、名前を調べる活動をする、その中でわからないことに遭遇し、質問されたら答えていく、または図鑑・資料提供や調べ方のサポートする、そうしたスタンスをとっている。実際に、そのようにして作られた岩石園は、先生と子どもたちのオリジナルのものとなる。学校と学芸員の間で、こうした関係を築いていきたい」という印象的なアプローチを紹介してくださいました。
ゲストティーチャーとして授業を頼まれる場合も、知っていることを講演するのではなく、その担当の先生とよく打ち合わせをし、一緒に授業をし、博物館だからもっている情報を提供していくことにしているそうです。
 
そのほかにも、気軽にメールでわからないことを質問したり、博物館を自分のもとして、資料、情報、実物を活用して欲しいとのことでした。
教科書にも「博物館を利用しよう」というページが載っています。理科授業の充実に向けて、それぞれの先生方の有効利用を探って欲しいものです。
 
 
 

 
精華小学校理科室にある生命の星・地球博物館関連の出版物。教員の研究、子どもたちの調べ学習に活用。こうした書物に当たることも博物館利用の一つでしょう。

Posted by okada at 15:45


半日研修会第2部報告

半日研修会の第2部を、私小協理科部会運営委員会という形で行いました。
 
案件1.2は、平田氏からご指導いただきました。
 
■案件1 校舎建築などの時に表れる地層の剥ぎ取り標本作り
 
7月に新築工事を行う精華小学校の地層の剥ぎ取り標本の作製の可能性を伺いました。ボーリング資料の解説、過去の工事の時に表れた地層の様子も解説していただきました。
そして、剥ぎ取り標本作製について、実施のための手順、目的の定め方などをアドバイスしていただきました。工事にあわせて的確に時期を決め、交渉を進めること、標本をどのように使うのか、どんな地層が欲しいのか、など、具体的に決めて進めるとよいとのことでした。
 
■案件2 「南の海から来た丹沢」の授業について
 
精華小学校版の表記の授業案について検討していただきました。
また、丹沢が南の海からきた証拠として、これまで断層や礫岩の地層が上げられていましたが、それは傍証であり、サンゴやオウムガイの化石が発見されたことで確証的になったこと、そして、その発見とともに表立って「南の海から来た」と表現できたという裏話に近い話題も提供してくださいました。
 
■案件3 理科部会版冊子シリーズの復活について
 
平成5年〜10年までの5年間に作ってきた冊子を、復活して作ろうという計画です。インターネットが発達した昨今でも、やはり冊子という形で残し、授業に役立てることは必要という見解に基づきます。
近年の自然観察会をまとめる形で、研修内容を整理し、部会の活動をまとめる予定です。多くの先生方に執筆を依頼することになります。
 

Posted by okada at 15:14


平田氏講演の反響

半日研修会、生命の星・地球博物館学芸員、平田氏講演の感想や、反響をまとめます。
 
・博物館に対するイメージが変わりました。授業での利用は考えたことはなかったですが、メールなども利用し、わからないところは学芸員の方にお聞きしたいと思います。
・博物館の利用方法、学芸員の方の力をお借りできることを知り、今後の教材研究に生かしたいと思います。
・今まで授業をしてきた中で、博物館を利用して取り組んだらおもしろいだろうと思う場面は何回 もあった。しかし、いざ実践ととなると、カリキュラムや時間の問題で、どう活用したら効果的かわからなかった。また調べるために何度も博物館に足を運ぶのが大変で、踏み出せなかった。
今回の話から、博物館では学校教育との連携にずいぶん力を入れていることを知り、もっと積極的に活用してみたいと思った。
・「自然科学については、博物館に聞くことからはじめよう」を心がけたいです。
・今まで博物館が近くになかったため、博物館の学芸員の方とは、コラボレーションは考えていませんでした。今回の講演を聞いて、遠方であったとしても大変利用する価値があるものと考え直しました。
・博物館という施設をどのように利用していったらよいか、大変参考になりました。学芸員との情報交換を行うことによって、資料を生かして十分活用できるものとなりうることがわかりました。
今後の教育活動の中で、タイアップして共同していければよいと思いました。
・博物館利用の仕方について大変ためになりました。今までは、学芸員との間に距離の開きを感じていましたが、身近なイメージを抱くことができました。
 
・博物館の発行した資料により、授業が組み立てられることもよくわかりまし た。
・積極的に博物館を利用している実践例があり、自分の学校でもその可能性を探りたいです。
・博物館の学校に対するスタンスがよくわかりました。特に、知っていることをただ教えるのではなく、学びを支援するという実例がすばらしかったです。
 
精華小学校では、ワークシートを使った博物館見学や博物館の研究資料を使っての教材研究も行っています。メールでの質問も時々行っています。でもまだまだ使いこなせていません。
「博物館の展示物を使って授業をする」
「博物館の展示物の前で子どもたちが議論をする」
「子どもたちが疑問を博物館にぶつけ、解決したり調べたりする」
そうした姿がいつの日か実現できるとよいと思っています。
 
昨年、カナダとアメリカの博物館を視察しました。訪れた人たちが次々と質問していくその熱心さには驚きました。展示物の前からなかなか離れず、いろいろな角度から納得いくまで眺めているのです。「博物館で学ぶ」姿勢は、
もっともっと日本では教育していく必要があると感じました。
 
いずれにせよ、私小協理科部会と生命の星・地球博物館は、密接な連携を築くことができました。どんどん利用し、授業の幅を広げていきましょう。
 

 

Posted by okada at 15:01