古典といっても、平安時代の古筆で学ぶべき代表的なものは、次に掲げるものである。
(伝紀貫之)(伝紀貫之)(伝紀貫之)
- 高野切古今和歌集 第一種、 第二種、 第三種は 三人の寄合書で、
こうやぎれこきんわかしゅう)それを区別するために三集に分けてある。
- 本阿弥切古今集(ほんなみぎれ)(こきんしゅう)伝小野 道風
- 小島切斉宮女御集(こじまぎれ)(さいぐうのにょうごしゅう)伝小野 道風
- 関戸本古今集(せきどぼんこきんしゅう)伝藤原 行成
- 香紙切麗花集(こうしぎれ)(れいかしゅう)伝 小 大君
- 一条摂政集(いちじょうせっしょうしゅう)伝西 行
- 寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)伝紀 貫之 散し書き必須古典 七つの散し書きの形式が ある。
- 継色紙(つぎしきし)伝小野 道風 散し書き必須古典 左右の二枚をひと組みにするため、
一首の歌をふたつの集団に分ける。いわゆる老蒼古雅という感じのもので、
初歩者にはやや困難と思われる。しかし散らし方には学ぶべきものがある。
- 升色紙深養父集(ますしきしふかやぶしゅう))散し書必須古典大胆華麗そして変化に富んだ
散し書きで(伝藤原 行成)
10.元永本古今集(げんえいぼんこきんしゅう)伝源 俊頼(みなもと の としより)古今集の
古写本であり、古今集の歌一首も欠いていない。古今集を研究するうえからも、貴重な資料である。
上下二冊からなり、この筆者が上巻を書き終えたときに「元永三年七月二十四日」という日付が
書いてある。故にこの本の名がついた。
「寸松庵色紙」や「継色紙」、「升色紙」が、古筆の中でも最高のものといわれ、一朝一夕に学べる
ものではありませ(日比野 光鳳)又「継色紙」、関戸本古今集と肩をならべられるかな古筆は、
高野切三種しかありませんといっているのは、 植村 和堂です。
展覧会に行っても、かなだけ書かれた書作品というのはほとんどありません。
当然、日常的な勉強としても、かな半分、漢字半ということは、どうしても必要になってきます。
だからといって、漢字がなんでもかなにあうわけでもなく、漢字を変化させ生まれてきた、
草がなには,和様の風情をもった漢字が最も馴染みます。
テン書、隷書、楷書はなかなか調和してくれません。
和様漢字を学ぶ古典としては、空海の「風信帖」、最澄の「久隔帖(きゅうかくじょう)」、
小野道風の「玉泉帖」等多くがあります。これらの源流を辿れば、中国の王義之の「集字聖教序」
「蘭亭叙」があり、また懐素の「草書千字文」などから学び和様にたどりつけば、最も有効に、
身につけることができる。