2013年5月23日(木) 快晴 気温28度

 遠山郷観光協会に、電話で問い合わせます。
 若いお嬢さん「兵越(ひょーごし)峠の通行、ですか? 
 静岡側からこちらに来られるんですね?
 そうですねぇ、いまは交通規制は何もありませんけども…」
 意外にも朗報を伝えてくれました。
 でも喜んでいる僕とは対照的に、お嬢さんの声は、抑揚のない事務的な声。
 メガネをかけたお役所の受付嬢、という感じの人かな…
 このときは、まさか現地でご本人とお会いすることになるとは思わなかった。

 さて話は、今回の計画に戻りましょう。
 皆さんは国道152号線をご存じだろうか?
 北は信州の上田から始まって、ビーナスライン、高遠、そして飯田までを南北に走っているのが国道152号線。
 そして浜名湖の東を南北に走るのも、同じ国道152号線です。
 ではこの二つの国道152号線は南北でつながっているのかというと、厳密にはつながっていない。
 長野県の天竜村と静岡県の浜松市天竜区とのあいだはガレ場で、全国的にも有名な難所。
 東日本と西日本の違う地盤が、ここでぶつかり合っているからです。
 日本人は何度となくここでトンネルの掘削を挑戦し、そしてことごとく失敗。
 今でも地蔵峠⇔秘境・遠山郷⇔青崩峠の一帯は分断されたまま。
 唯一その未開通区間には「兵越」という林道があるのですが、でも完全で
はなく、通れたり規制されたりを繰り返しているのです。
 兵越峠はここ数年も時間通行止めが続いていたのですが、今年突然に
フルタイムで開通したわけです。

 7:00に自宅を発ち、10:00に新東名の島田金谷ICに到着。
 さっそくヘルメットのなかに届くのは、杉と緑茶の香り。
 杉林と茶畑が交互に現れる国道473号線を、分け入ってゆきます。
 説明があとになりましたが、兵越峠は翌日に攻略することにして、一日めは
大井川のリバーサイド・ロードを楽しむことにします。
 一日めからDangerousな冒険が、僕を待ち受けているでしょうか…
静岡から信州へと至る道(前編)
三たびDangerousなリバーサイド・ロードへ
kset02.gif
 この国道473号線はロードマップで見るかぎりは、大井川鉄道(SLが運行しています)と併走するクルージング道路に思えますが、実際はダイナミックなBack-Road。(↑)
  川に沿ってくねる道は起伏も多く、ところどころで眺望が開けると、自分が高い崖の上にいたりします。
  信州の山岳ワインディングとはまた違った意味で、スリリングで面白い。  

←たまにこういう開けたところもありますが、ごくわずか。
 だいたいは大井川わきの密林の川っぺりを、ひたすら走ることになります。
⇒2011年のR473はコチラ
 道に迷ったところ… (→)
 道に迷うのは、2011年の時と同じ。
 曲がるところを間違えて大井川の対岸に渡ってしまい、30分ほど迷子になってしまいました。
 行けども行けども同じような道で、集落もごくわずか。
 静岡のリバーサイド・ロードは、ほんとうに難しいなぁ。
 また大井川は橋がほとんどないので、対岸でルートをごまかすことができずに、いちいちコースミスしたポイントまで戻る必要があります。
 頑固にバイク・ナビゲーションを付けない僕も僕ですが。
 でもおやじの旅ですから、多少のやせ我慢は良いのです(笑)
 見苦しくヒイヒイ言いながら、アクシデントをバイタリティに変えてゆかないと、単車で旅に出た意味がありません。