2014年7月12日(土) 快晴 現地気温24〜32度

 この日は土曜日なので、5:20と早めに横浜を出発。
 台風一過とはいえ、行く先々で「八王子・アメ注意」「青梅・アメ注意」「東松山・アメ注意」と、警告が続く。
 幸いにも、すべてあがった直後でした。
 9時に東部湯の丸ICで上信越道をおりると、県道81号線を往く。
 県道81号線(左)は、小高い丘と丘のあいだをストレートでつないだ快走路。
 こうして小高いところからは、盆地の地形がよく分かる。
 上田盆地と塩田盆地とを合せると、この盆地はかなり広大。
 そしてこれから向かうのは、右側の山にある別所温泉です。
 先日、学生時代の旧友と二人で酒を酌み交わしました。
 場所は、多摩川のちょっと高級感を漂わせる街にある、焼き鳥バー。
 彼は長いビジネスマン生活に見切りをつけて、趣味のカデゴリーのジャーナリスト(それもCo-Editor)に転身。
 人一倍の苦労もあるでしょうが、男が晩年好きなことだけに時間を費やす… これが羨ましくないはずがない。 
 さて相手はジャーナリストですから、話題は自然と本のことになりました。
僕「この齢で、片岡義男を読もうと思っているんだ。 『彼のオートバイ 彼女の島』 いままで読む機会を逸していてさ」
彼「片岡義男ですか…」
僕「片岡義男&角川文庫、あの組み合わせは一世を風靡したものね」
彼「文庫本のカバーの写真が浅井慎平だった。文庫本のカバーに写真を使ったのは、あれが初めてなんじゃないかな」
 そうは言ったものの、古いベストセラーって意外に入手が難しいことに気づく。
 家族に相談してみると、読みたい書籍なら図書館で探すのに限るという。
 市民図書館の蔵書を当たると、あっけなく「貸出中」のなかに見つけることができました。
 そして旧友と飲んだ日から一か月後、僕のもとに「彼のオートバイ 彼女の島」がやってきた。
 昭和55年の初版本。
 片岡義男&角川文庫、そしてこのカバーの写真が浅井慎平なのでしょう。
 それを見た家族が、「片岡義男なら、それに南佳孝の組み合わせが定番」と教えてくれる。
 しかし厳密に言えば、南佳孝が主題歌を歌ったのは、次に映画化された彼の小説「スローなブギにしてくれ」です。
 この季節は雨読(うどく、晴耕雨読の雨読)とばかりに、すぐに「彼のオートバイ 彼女の島」を読む。
 そして台風一過となった7月のある日、物語の舞台となった信州へと旅立つことにしました。
 小説の主人公は若い男のこで、愛車はKawasakiのW3(650cc)
 僕はおやじで、愛機はHondaのNC700X(669cc)
 この時点では共通点は、ない。
小説とは別の、僕の別所温泉
 「彼のオートバイ 彼女の島」で主人公コオとミーヨは、信州・上田の、混浴の共同浴場で出会います。
 小説では別所温泉とは書かれておらず、単車雑誌によればこれは別所温泉の大湯という設定らしいのですが、その真偽は分かりません。
 僕より若い世代のライダーの間では「片岡義男の舞台を訪ねる旅」としてよく取り上げられます。
 なお実際の別所温泉には、混浴はありません。
⇒2012年に行った別所温泉・大師の湯はコチラ
 やがて別所温泉に到着。
 温泉街を訪れるのは二回めなので、迷うことはありません。
 無料駐車場に駐車すると、急坂をてくてくと登ってゆきます。
 古い用水路が縦横に巡らされた温泉街は、けっこう人影が多くて賑やか。
 やがて坂道の突き当りに、見えてきました(右)
 これが別所温泉の大湯。
 威風堂々とした木造の湯屋造りです。
 左右に立てられた投げ縄のようなものは、翌日の日曜日に行われる「岳の幟」という祭りの飾りつけ。
 形がなかなか面白い。

 こうしてみると白いバンがじゃまですが、この停車位置は地元の旅館に配達ものをするクルマの定位置。
 ひっきりなしに配達車が現れて、届け物をしては消えてゆきます。
 これは魚屋さん。
 リネンを配達するパネルバンも見ました。
「別所温泉・大湯」
長野県上田市別所温泉214番地
事務所 0268-38-5750 入浴料¥150-
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