5/1 pm6:00 1回目のセッションが終わってエルモアバンドのメンバー達に連れられてエルモアJrに、ぼくは 挨拶しに行くことにした。 彼はあの有名なブルースマン 故エルモア ジェイムスの息子というのにもかかわらず、日本では、まったく無名に等しい。 しかも何人かの現地ミュージシャンにも、来る前に彼のことを聞いてみたら現地でも知られていないらしい。 某ミュージシャンに聞いた話だと「ほんとうはそうじゃないのに、名前を騙るヤツもいるからな〜」 ということである。 話は少しそれるが、ブルースレジェンドと呼ばれるミュージシャンにも、サニーボーイ ウイリアムソンU(ライス ミラー)のように、当時本物の本人が生きているにもかかわらず、自分のレコードを売りたいがために自分のクレジット名そしてアーティスト名までも、シカゴの売れっ子だったサニーボーイ ウイリアムソン(ジョン リー ウイリアムソン)の名前を頂戴してしまったという逸話があるくらいだ!(当時まだEPレコード全盛期でジャケットにはアーティストの写真は載っていなかった時代の話ではあるが)。しかし、そんなことはブルースの世界では日常茶飯事であるらしい。 店でドリンクを買いにカウンターに行こうとするとここのお客たちにも、さっきのセッションがGOOD JOBだったと沢山声を掛けられた。 エルモアJrを含めて、メンバーたちに自己紹介を終えると ぼくは、ここで勇気をふりしぼり本人には失礼を承知の上で、ほんとうの息子なのかを確認することにした(日本のブルースファンたちのためにある意味、本当のことを知らせたい義務感もあった) 彼の答えはただ 「YES!」 しかしそれはこのあと始る彼とのセッションでの彼のPlayがすべてを物語っていた。 ぼくは、このセッションではブルースハープを吹いた。 しかし彼の曲はほとんどオープンDというギターチューニングのために、残念なことに、この日 ぼくはそれに合ったハープを持ち合わせていなくて、しかたなく3rdポジション奏法というマイナー系の曲に合うハープの奏法で2曲ほど吹いていたのだが、合うはずもなく、あまり良い結果が得られなかったため潔く自らステージを降りることにした。 その曲間で、エルモアJrは、バンドのベーシストに「何故あの男は、ハープを吹くのをやめたのか?」 と聞いている。 事情をのみ込んだエルモアJrは「だったらギターで参加してくれ」と言ってくれた!! ほんとうにこちらに来てからは、ミュージシャンたちみんなは、東洋の小さな島国から来た全く見ず知らずの自分に、素晴らしいとりなしをしてくれる。 真のミュージシャンシップとはこういうものだ、ということを僕は教えられたような気がした。 そしてエルモアJrのスライドギターは、まったく父親の音色とかわらない素晴らしいものだった! ぼくは、20年前から追い求めていた、あのシカゴブルースのレコードの音の中に再び吸い込まれていくようなまさにそんな気分だった。
.jpg) 次回は、サウスのほかの店に、場所を移して、今度は、あの「KING OF BLUES」の娘との セッションレポートです。 お楽しみに!!!
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